第41回【私史上最低最悪なクズ~彼の行動編2~】
彼に不安を与えたあとは、精神的に突き落とすだけ。
もしかすると自分が警察に捕まるかもしれないという不安に駆られた彼は、聞いてもいないことをしゃべるしゃべる。
自分を守ろうと必死なんだろうね。
いつも強気で自己中で好き勝手やってる男が、警察って名前出ただけでこんなに必死になるなんて、なんて滑稽なんだろう。
「俺は(○麻が)ないといけないわけではない。」
「別に今すぐにやめれる。」
何その言い訳。
めちゃめちゃ焦ってるじゃん。
それ、私に言ってもね。警察に言えば?
さらには
「○麻はM子の彼氏が売ってる。俺は関係ない。M子はどうせ他にも遊んでる男いるんだろ?そっちの方が頻繁にやってるって。」
「俺は誘われればやるってだけで、あいつらとは違う。自分からはやらない。」
「あいつらとはそこまで仲良くない」
いや、だから警察に言えば?
てか、自分を守るために友達(?)売るんだね。最低じゃん。
挙げ句の果てに、
「俺はもうM子とは連絡を取らない。あいつとはもう関係ない」
って言って、私の前で自らM子との例のアプリを消し、LINEをブロック、電話番号の着信拒否設定をして消した。
そんで、「他に思い当たるものある?あるなら全部この場で消すから」って。
M子についてはとりあえず向こうから連絡できる手段を断ち切ったようで、そこについてはざまぁって思うけど、
それってなんのため?
私を裏切ったことに対するお詫び?
それとも私から警察に潔白を証明しろとでも?
‥あまりの必死さに私も驚きはしたけど、もうどっちでもいい。
どうせ後者でしょ。
私:別に消せとは言ってないよ。好きにしたら。私にはもう関係ない。
彼:そうだけど。‥ごめん。
私:ごめんって何に対して?何を謝ってるの?
彼:いや、裏切ってごめんなさい‥
うわー謝ったー。あれだけ謝らなかった人間が!
とは思ったけど、それ言えば私がまた警察からも守ってくれると思ってるんだよね。
なんだかんだ私は離れないと思ってるんだよね。
不安な状態で一人になるのがちょっと怖いと思ってるんだよね。
私はそれを待ってたよ。
やっと別れる決心がついたんだよ。
突き落とす準備はできてるんだよ。
私:もう、いいよ。もう無理だよ。バイバイだよ。今までありがとね。明日も仕事でしょ。頑張ってね。
彼:俺、明日からもう仕事行かないかもしれない‥
私:何それ。仕事はいきな。頑張ってね。
彼:俺、今日家に帰らないかもしれない。朝までその辺歩いてるかもしれない‥
私:‥それは知らないけど、とりあえず気をつけてね。じゃあね。
彼:‥
そして私は、今まで見たことがないくらい弱々しく何か言いたげな彼を無視し、家路についた。
作戦は、成功だ。
あんな彼は初めてみた。
M子と縁を切り、警察に捕まる不安の中、今までずっと助けてくれていた私がいなくなった。
家に帰れば元カノがいるとはいえ、S香も彼を支えるようなタイプの女性ではない。
とりあえず今の彼は絶望を味わっているだろう。
そして自分で去るのもは追わないと言った彼だ。
プライドはまだあるだろうし、このまま連絡もしてこないだろう。
あー、終わった‥
これで私、幸せになれるんだよね。
この先、彼がどう生きるのかは知らないし、きっとすぐに立ち直るんだろうけど、それももうどうでもいい。
今の私は未来に明るいものしか見えない。
寂しい気持ちより、スッキリした気持ちの方が大きい。
やっとこれからは幸せを見つけられるんだー‥
そう思ってそろそろ寝ようと思ったとき、思いがけなくLINEが鳴った。
こんな時間にだれ?って思って開いたら、送った相手は彼。
そして、そこに表示されていたのは私が知る限りの彼の性格からは想像のできない
「ごめんなさい」
と言うひとことだけのメッセージだった。