第16回【優先順位】

そんな彼との関係は、幸せよりもストレスを感じてしまうことの方が圧倒的に多く、理不尽なケンカをしては別れたりヨリを戻したりした。
ヨリを戻すきっかけはいつも彼からの『会いたい』だったけれど、私も結局は寂しさには勝てず、なんだかんだいつもの生活に戻った。

この人と一緒にいても幸せにはなれないなと気付いていても、ダメ男にしてしまった責任は感じるし、何より自分を求めてくれる人間なんてもうこの先現れないんじゃないかなという思いの方が勝ってしまう。
ちゃんと大事にしなきゃ‥みたいにね。

それでも相変わらず彼は、私が仕事や他の友達を優先しようとすると口で「いいよ」と言いながらもすぐに機嫌が悪くなった。
なので私もなるべく他の予定は断って、面倒なことやムダなストレスは避けた。
それが一番楽だから。



とは言え、私にも譲れないものはある。
それはもちろんたった一人の大事な我が子。
誰よりも何よりも、私にとっては優先順位が一番上なのは当たり前のことで。
大袈裟じゃなく、この世の中で自分の命よりも大事だと思える唯一の人間だし。

けれど、彼にとってはそれも面白くなかった。
優先順位が自分じゃないとなると、我が子にさえヤキモチを妬いて、不機嫌になった。

こういうと、もっと伝え方を工夫したらいいんじゃないかとか思われるんだけど、それについては彼の性格に合わせて毎回かなり神経使って工夫した。

なんなら、他の友達の子どものことは素直に褒めるのに、我が子については褒めることすらせず、それどころか張り合うくらいの勢いで、さすがにそれは違うでしょとほとほと嫌になった。
どんだけこの人子どもなんだろうと。

さすがに、私の優先順位の一番上が我が子であることを理解できない人とこれから先も一緒にいる気にはなれず(ここは結構シビア)、それ以外の彼の幼稚な性格も相まって、私の気持ちはどんどん離れていった。





‥‥のも自分でわかっているんだけどね

私のダメなところ。

『情がある相手は突き放せない』

とことん嫌いな相手ならいくらでも冷たくできるんだけど(非情w)、情が残っている相手に対して自分から別れるみたいなことはできない小心者の私。
あわよくば次のケンカきっかけで別れられないかなとか、たまに彼からでるメンヘラ発言(俺なんかじゃぷりちゃんを幸せにできない的な)きっかけで上手く別れられないかなとかズルいことばかり考えてしまう。

この時点で彼に失礼だし、はっきり言ってやれよってのもわかってるのよ。
こういうとこがほんとズルくてダメな女でやんなるよね。

とまぁこんな毎日を過ごしている中、今度は彼は持病の体調不良で仕事を長期で休職した。
休職前はやたらと体調不良を訴えて仕事をちょいちょい休んでたけど、休職が決まった途端、毎日元気だった。←おい


もともと国家資格を取って自立することを夢見ていた彼。
この休職中に死ぬほど勉強して試験に合格するつもりと言っていたのだが、私が見る限り試験勉強にそこまで時間を費やしているようには見えず、私が仕事に行っている間もなんだかんだ言い訳をして自分の好きなことだけをやっていた。

合格するためのすごくいい教材があるってことで、それさえあれば受かる的な発言をする彼のやる気にかけた私はうん十万の教材代も立て替えた。
(バカと言われるのは重々承知)

いや正直ほんとかよって気持ちは大きかったけど、性格的に持ち逃げするタイプではないのはわかってたし、無駄にプライドが高い彼が私にお金を借りてまで教材を買って変わらないならもうダメだな、と私自身も勝負に出た。

が、素人の私が見ても足りてないとわかる勉強方法で難しい国家試験に受かるはずもなく。
復職してもすぐに朝起きれなくて休む(休みの連絡を入れた途端に元気になる)彼にもう以前のように同情できるわけもなく。

もうこの人との将来に自分の幸せを描けないな‥
どうするべきか‥

そう思ったときに、彼のメンヘラは発動した。

私の仕事中に彼から来たLINEには、長文でこんな感じのことが書いてあった。

『今の俺は仕事も上手くいかず、試験も合格できず、ぷりちゃんを幸せにできる気がしない。ほんとは俺が幸せにしたかったけど、ぷりちゃんにはもっとふさわしい人がいると思う。幸せにするって言っておいて申し訳ないけど、別れよう。本当にごめん。お金は少しずつでも必ず返すから』

今までも似たようなLINEはあったりもしたんだけど、その度に私が

『そんなことないよ、頑張ってるのはわかってるから一緒にがんばろ』

的なフォローをしてた。

またか‥と思ったけど、
もういいや、フォローはやめよう。(ぶっちゃけめんどくさい)
これは彼がくれた最後のチャンスだ。

『わかったよ。じゃあそうしよ。今までありがとう。お金は振り込んでもらうね』

もう絶対に戻らないことを固く決意し、私は今までとは全く違う返信をした。

彼も自分が言った手前素直に応じたけど、いつもと違う私の反応に戸惑いはあっただろうね。
いつもならフォローしてくれる優しいぷりちゃんじゃないもんね。


私の優先順位に対してもっと理解を示してくれていたら、もしかしたら二人に未来はあったのかな。

‥‥

‥‥

いや、ないか笑

おとなの婚活パーティーOTOCON