第48回【借金‥?①】
まだ記憶に新しい出来事。
彼が元カノの家からうちに引っ越してきてからまもなくして、事件は起こった。
郵便物は転送届を出したので、以前のアパートに届いたものはウチに全部転送されるようになったのだが、そもそも送られる郵便物は少ないようで、最初はこれといった転送物はなかった。
のだが。
だいたい1ヶ月後くらいかな。
転送されてきた謎の郵便物。
そこには、
親展 『特別終了プランのご案内』
とあり、会社名もなく、担当者名だけが書かれていた。
封筒もかなり目立つ色で、これが何なのかは私には判断できず、ただただ嫌な予感だけがした。
これなんなん‥
‥とはいえ、その頃の私は彼に対して諦めというか、勝手にやってくれ、っていう思いが強くて、
(これが何であっても私は関与しない)
って感じだったので、とりあえず彼に渡すことにした。
渡された彼は、「ああ‥」とだけ言って封筒を適当なところにしまいそのまま放置。
結局それが何かわからないまま、時間が過ぎた。
そしてさらに1ヶ月後。
今度はまた別の郵送物(次は剥がすタイプのハガキ)が届き、
今回は私でも知っている消費者金融の名前が書いてあった。
しかも、今回のは引越し後の住所で‥。。。。。。
え、ちょっと待ってどういうこと?????
そのとき私に押し寄せた不安と言ったら、数年前のあの事件の絶望を思い出してしまうレベル。
え、この後に及んで借金してる‥?私に隠れて‥?ウソでしょ‥?
しかも今の住所に来てるってことは最近ってこと???
けっこうなショックだったけど、それでもその時はまだ
(生活費貸してって私に言えなくてちょっと借りたか‥?そうだとしても私は知らない。自分でなんとかしろ)
て感じで、無視することにした。
ただ黙ってはいられず、帰宅した彼に、
「これ今の住所で来てるけどお金でも借りたの?」
って一応聞いてみたけど、返ってきた言葉は
「借りてないよ?」
と平然な返事。
‥‥どういうことなの。もうなんなの。
どうあれこれは彼の問題、私は家族でもなんでもないし関係ない。一旦忘れよう。
借りたなら勝手に返してくれ。
そう自分にいい聞かせて放置することにした。
‥‥そして更に1ヶ月後。
今度は2ヶ月前にきたのと同じ転送された郵便物と、先月届いたよく聞く金融機関からの郵便物(次は封書)。
え、これずっと来続けるの?
あいつが払うまで?
いやいやさすがに気にしないでいるのしんどいわ!
てかなんなの?なんで本人が借りてないっていうのに来んの???
ありえないよね?
でも借りてるならなんで嘘つくわけ?
隠せないんだから、足りなくてちょっと借りたとか言えば良くない???
私に言えない何かなの?
‥そしてここからはもう私の頭は久々の大暴走。
私のよくないネガティブ思考全開モード。
借りたとしたら何に使ったんだろう。私に言えない何か?
もしかして縁切ったはずのM子に手切れ金払ってたりしてないよね?
まさかだけどまた薬物的なものに手だしてないよね???
※第31~44話参照
あんなに放置を決めたのに、一回疑い出したら止まらない止まらない。
あーもうだめだ、もう覚悟を決めよう。
中身見て、真実を突き止めよう。
最近すっかり平和な日々に慣れてきてたけど、裏切られてるなら話は別だ。
私の暴走した考えがもし当たったら、今度こそ別れよう。
そう心に決めて、それぞれの封を開けて中の書類を出した。
そして、
そこに書かれた内容に、私は驚愕した。