第20回【ラブラブ期】
直今もラブラブかラブラブじゃないかと言われると、3年以上も毎日一緒にいる割にはたぶんラブラブ要素はかなりあるんじゃないかと思う。
いまだに仕事の前のハグや寝る前のちゅーは毎日の日課、休みの日はずっと隣でゲームや映画を観ながらジャレてるし、お風呂はもちろん一緒、耳掃除もする。
彼の足の爪を切るのも髪を洗うのもドラアイヤーで乾かすのも私の仕事。
彼が友達とボイチャをしながらゲームを始めるときは私が寂しくないようになのか「行ってくるね!」とハグとちゅーをしてくれる。
そして私は彼のそういうのが全部好きだったりする←ちなみに前の彼氏のときはイヤだった
今でもそういう感じなのだけど、付き合い始めの彼はもっと私への好きオーラを恥ずかしげもなく出してきた。
そもそも私、一見クールそうな人にキャラと違うことされるとギャップ萌えしちゃう単純な女で。
計算高い感じが見えると逆に興醒めしちゃうんだけど、彼にはそれが見えなかったのよね。
私が彼に沼ってしまった始まりは、全てこのギャップ萌えが原因な気がする。
彼には普段から仲のいい女友達が数人いるのは知っていたのだが、私と付き合い始めてからは完全に優先順位が私になっていた。
もともと自由に遊んでるタイプなのはわかっていたので他の女と遊ぶくらい最初は何も思っていなかったけど、あまりに優先にしてもらえるとやっぱり嬉しくなっちゃうもので。
そのうち彼が女友達に誘われたって話を聞くとちょっとイヤな気持ちになるようになってしまった。
職場でも毎日会ってはいるものの、仕事後に会わない夜は、
「会いたくて辛い」
「好きすぎて辛い」
「どうしたら苦しくなくなるんだろ」
「あー、好き‥」
こんなLINEが頻繁にきた。
仕事のあとに一緒にいるときも、職場近くでは絶対やらないと言っていた手繋ぎを自らしてきてはそんな自分に戸惑った態度を見せたり、バイバイする前に「離れたくない」とギュッと抱きしめてきたり。
この顔でこんなことしてくるのは犯罪だな‥と思うくらいのキャラ違いの愛情表現で私への好きオーラを全開に出してくる様子は、
なんだこのギャップは。かわいすぎる‥
と、完全に私を沼らせた。
思えばこのとき彼のキャラが崩壊してなかったら私もいい感じに本気にならない程度の距離感を保てたはずなのに。
のちに彼に、私が執着する原因を作ったのはこのときのあんたのせいだと文句を言ったら、そんなの知らねえお前が勝手にそうなったんだろと言い放ちやがった。
これまでいろんなダメ男を見てきたはずなのにこんな単純なことで沼ってしまった自分にも、それをお前が勝手に受け取ったことだとなんの責任も持たずに切り捨てる彼にも相当腹が立つけど、まぁ私にもまだ人を好きになる純粋さが残っていたということで。
終わったことをどうこう言ってもしょうがない。
一生のうちでこれだけキュンとする時間を与えてくれたことには感謝しよう。
(前向き)
こんな始まりのラブラブ期だったが、意外と早々には終わらない。
彼の愛情表現の変化とともに、彼の本来のダメ男かつクズっぷりはこの先どんどん表面化していく。