第31回【私史上最低最悪なクズ~序章~】
一度大きな揉め事があると、なぜか一定期間平和な時期が訪れる。
たぶん向こうは向こうで怒鳴ったり私が泣いたりすることに疲れて、揉めないように多少なりとも気をつけるんだろう。
もちろん理不尽な出来事は絶えないし、女の影にも悩まされる毎日だけど、私の方も多少のことは飲み込んで生きてきた人間。
我慢できないほどのきっかけを彼が作らない限り、平和を保つために基本は我慢して楽しい時間が長く続くように努力にする。(結果溜まっていく)
そして、一定期間が過ぎて何かが起きそうなとき、けっこうな確率で私の心がザワザワする。
女の勘ってこういうのを言うのかな?
女絡みで言うと、平和(を保つ努力をしている)な期間も何度も小さなザワザワはあるんだけど、しつこくするとブチギレられて平和な時間が終了するので、できる限り気づかないふりをして頭の中から消し去るようにしている。
(客観的に見ればブチギレられる時点でそんなやつ別れた方がいいw)
そんな中、
前回の揉め事から半年くらい経った日の朝、できれば感じたくない、あのザワザワがやってきた。
(あー、お願いいつもと違うこと言わないでくれ‥)
祈ったところで彼に届くわけもなく
「今日、家帰るわ」←元カノS香のいる家
(あー、、きたわこれ)
‥いやね、元カノの家に帰るのはホント不思議なくらい今さら別にいいのよ。
でもね、いつもなら前日には言うことを当日の朝に言うときって、今までの彼の言動行動からしてほぼなんか隠そうとしてんのよ。
すでにザワザワを感じてしまっている私は、気持ち的にはちょっとだけ、彼の心の中身を探ってみたくなった。
私:‥ふーんわかったー。‥‥で、なんかあるの?
彼:は?なんなん?家に帰るのくらい好きにさせてくれ!!!
いやいや、何を言ってるんだろうこの人は。
なんかあるのかって聞くの、彼女なんだしそこまでだめじゃなくない?
なんか聞かれたらどうしようとか、最初から思ってたくらいの食いつき気味のその謎の逆ギレ、黒確定じゃん。
「帰るな」なんて一言も言ってないけどなんでキレてんの?聞かれて困ることあんの?って言い返そうかと思ったけど、出勤前なのでこれ以上彼をヒートアップさせるわけにはいかず、お互いそれを感じたのでそのまま出勤。
そして、
その翌日、私にとって最低最悪な事件の幕は開けたのだった。