第39回【私史上最低最悪なクズ~実戦編~】

自分が優位に立ててると勘違いしてるときほど、突き落とされたときの打撃は大きいはず。
そうなるとタイミングも考えないとね。

自分なりな作戦を立てていくうちに冷静になっていた私としては、いつも通りの会話やイチャイチャも平気でできる。
心の中では(なんだこいつ)とか思ってるのに、我ながら役者だなと思う。


彼も、私が何かに気付いてたり、疑ってるなんて思ってないんだろうなぁ。
(いやこれ逆の立場だったら人間不信になるわ絶対)

そして、自分から何か行動を起こすのは何か悟られそうでちょっとリスクがあるし、どうするかな‥とか考えてた矢先、チャンスは思ったより早めに向こうからやってきた。

「今日、帰るわ」

‥きたっ!
思ってたより少し遅かったけど、前にM子と会う約束をしてるのはすでに確認済み。
流石にそろそろだよなと思ってたのがついに来た。

他の女と会うことを分かった上で知らん顔するのもいい気はしないけど、彼を追い詰めるチャンスは今日しかない。
厳密に言えば別に今日じゃなくてもいいけど、私自身がもう持たない。


うまく追い詰められるかどうかはわからない、結果ももう蓋を開けてみないとわからない。
でも、先に進むには今動くしかない。

彼が帰るときは、仕事のあと帰宅前に一緒にご飯を食べたりカラオケに行くことが多く、まずは今回も普段通り
「んじゃ夜ごはん一緒に食べよ」
と誘ってみた。

M子と会うのはまた深夜なんだろう。
彼は
「いいよ」
といつも通り答えた。

仕事のあと、いつものように待ち合わせしたはいいけど私がちょっと遅れて、すでに着いたときには彼はまたイライラモード。
いつものことだけど、今日の私にとってはそれくらいの方が都合がいい。

イライラを隠さない彼に対し、私はいつものように
「待たせてごめんね」
と伝え、もうこの時点で彼としてはまさに自分優位。

彼:お前そもそも待たせて当たり前だと思ってるよね
(はい来たいつもの意味わかんないやつ。いつも待たせて謝りもしないのはお前だっつーの)
私:いや、何回も言ってるけど、申し訳ないと思う気持ちがあるから謝ってるよね‥

彼を追い詰めるには、まず自分がマウント取ってると思わせるのが最重要。
思ったより順調に『私が悪い』を彼の思考に植え付けることができた。
(なんて単純‥)

でも今日はもちろんここでは終わらない。
予定より早いタイミングではあるけど、この流れは逃したくない。

私は彼のイライラにさらに追い打ちをかけた。
私:今日ってなんか急いでるの?予定でもあった?あるなら別に無理にご飯食べなくてもいいよ

あえて他の女と約束でもしてるんじゃないの的な要素を醸し出して、挑発してみる。
M子と会うなら焦りを隠すために必要以上にキレて私のマウントを取ろうとするはず。

彼:は?なんなの?ご飯誘っておいて何が言いたいの?お前ほんとに性格悪いな!

はい、たしかに性格の悪い挑発してますw

私:いや、仕事でちょっと遅れただけで謝っても許してもらえないってよっぽど時間気にしてるのかなと思って。それなら申し訳ないし。別に女との予定を疑ってるとは言ってないけど、何そんなキレてんの?
彼:は?てかお前さ、寝てるとき俺の携帯見たよね?俺がどうこうよりお前が人として最低だな。

ハイ出ました自分のこと誤魔化してお得意の責任転換w
てか何気に一回携帯見てるの気づかれた気がしてたけどやっぱ気付いてたのね。
こういうときに優位に立つためにネタとしてとっておいたんだねw

でもねー、私それ待ってたの。
きっかけはどうあれ、彼にはとにかく自分が優位に立てたと勘違いしてもらわないと意味がない。私を追い詰めてマウント取れると思ってもらわないと。

さて、ここからは私の反撃の時間。
なんか彼が思った以上に単純な性格で、逆に不安になるわ。笑

おとなの婚活パーティーOTOCON