第22回【束縛はしない、からのやきもち?】

2022年10月30日

彼が自由でいたいのが、ただ女が好きだから好きなときに女遊びをしたいってだけではなく、自分に好意を持ってくれる人が離れていくのが怖いってのが少なからずあるとなると、その気持ちがわからなくもない自分も厄介に思う。

誘われたら断ることはしたくない=自由でいるために相手に束縛をしないと言って予防線を張る。

私も今までそうだったかもしれない。

まぁでもそんな状態だから、彼の行動・言動は時として(いやしょっちゅう)矛盾を生じる。

付き合いはじめの最初の矛盾行動、それは職場で起こった。

私と付き合う前~付き合い始めたあとも、彼には常に連絡をとっている女友達が少なくとも2~3人はいた。
当時は私が最優先だったらしく(自分で言ってた)、会う回数自体は確実に減ってはいたものの、そういう異性の友達がいることは私だって当然面白いはずがない。

ただ、彼女らは私が彼と知り合う前から毎日のように朝まで二人で遊んでいたわけで。
どっちかというと私が横入りしたようなもんで。

そっち側からしてみれば、あれだけ会いたいと言えば遊んでくれた男が急に
「忙しい」
と言って会う機会を減らしてきたわけだから、彼女らの方が面白くないだろう。

そんな気持ちもあったから、そこに執着したり、やきもちを妬くことはできるだけしたくなく、私の結論としては、

(私も同じように過ごせばいい。お互い束縛をしない自由な付き合いをしよう)

というところに落ち着いた。

そもそも元彼のときも、元ダンナのときも、自由を求めた私だし。
こういう付き合いが合っているのだろうとも思った。





‥いや、それでもどうしても嫌だったのは、職場で明らかに彼に好意があるだろう態度を示す女性たち。
内緒で付き合ってると、当然私の目の前でも彼を堂々を誘ってくる。

自分と付き合う前から遊んでいた異性のことはなんとか目をつむるにしても、今目の前で新たな異性との関係を築き上げられるのは、もともと独占欲のある私としては許容範囲を超えてしまう。

なので、彼にはこう伝えいていた。

「さすがに(私の目の前で)職場の女性の誘いに乗るのはやめてほしい」
と。

そんな感じで私の中で最低限のお願いだけをして、あとは彼にはなるべく執着しないようにと私自身も自由に過ごすことを心がけた。

今までのように彼氏に悪いからと飲みに行くのを躊躇したり、断るのもやめて、彼がもともと仲の良い異性と遊ぶように私ももともと仲の良い職場の男性とふたりでご飯に行ったりもした。
そうすることで「彼も私も同じ」という状況を作るつもりで。

ところが、だ。

ある日、職場で私のところに歩み寄った彼は小さな声で私にこう言った。

彼:お前さ、Tさんとふたりで飲みに行ったの?
私:あぁ、行ったけど
彼:俺に内緒で行ったの?
私:‥え?いや、内緒にするつもりは全然ないけど、そっちも女友達と遊ぶのわざわざ言わないよね?それと同じだと思うけど‥

そこまで言うと、彼は不機嫌そうな顔で「ふーん」と言って私の前から去った。

その後の職場での彼の態度は明らかに機嫌が悪く、さすがに私のせいなんだろうなと感じざるを得なかった。

(は?なんなん‥)

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