第35回【私史上最低最悪なクズ~私の行動編3~】

そのアカウントとのLINEのやり取りは、

『電話機能もついてるし♪』
>『なるほどね!』

で終わっていて、この後二人は時間で消えるメッセージアプリに切り替えたのだろうと想像するのは容易かった。

(ビンゴだな‥。)

心臓をバクバクさせながら、知りたくない気持ちも残しつつ、それでももう全てを知る覚悟ができている私は、ためらいなく過去のやり取りを遡った。

内容は、漫画の話や会社の話など、たわいもないやり取りも多く、全部M子発信だった。
M子は明らかに彼に好意を持っていて、会話が途切れそうになると別の話題を持ちかけて、関係が途切れないように必死になっているのがわかった。

そして、遡るうち、わかってても見たくなかったやり取りがついに目に入った。
『あの漫画貸すけどいつ会える?』
>『オッケー。○日なら大丈夫かも』

(あ、たぶんS香のいる家に帰るって言ったときだな)

そしてその当日と思われるやり取り。
『もう少しでそっちいけるよ~』
>『はいよ』
『今日、Hする?』
>『うん!』

ドクン‥

(わかってたけど、やっぱ見たくなかった‥)


行動とは矛盾する心に動揺しつつも、ここまではっきりしたら全部見よう、と私の手が止まることはなかった。
(てか、「うん!」ってお前、お母さんに「お腹すいた?ご飯食べる?」って聞かれた小学生男子かよ)

そのあと夜中の3時過ぎに、お互い
『今日はありがとう~気をつけてね』と送り合い、彼はS香のいる家に帰った様子だった。

そして、M子は彼に彼女がいることはわかっていて、相手はS香だと思っていること、S香のことも知っていて、私と付き合う前(S香と付き合ってたとき)にはS香がいない時に家に上がっていること、私の存在は全く知らないであろうこともやり取りの中でわかった。

まぁ、私の存在知らないことについてはショックでもなんでもなく、私としては好都合。
なんとなくだけど、
「私、彼女のS香ちゃんには内緒で彼と関係あるの❤︎」みたいな自己顕示欲向上の対象に自分がなるなんてごめんだ。S香には申し訳ないけども‥(´-`)
(自分の醜いプライドってこういうときに自覚するよね)

そしてさらに、M子には彼氏がいることと、彼はその彼氏の知り合いであることもわかった。
M子とその彼氏は二人とも、私と知り合う前の会社で一緒だった同期って感じ。

‥こいつら‥揃いも揃ってクズすぎる‥なんかもう気持ち悪い‥

要は私が今まで付き合ってきた彼は、今カノ(私)の家に入り浸りながら元カノ(S香)との同居を解消していないだけではなく、そっちの家に帰ったときは元カノが寝静まったあとに抜け出して他の女(M子)と浮気をしている、どうしようもない男。

そんな男に、私は今までバカみたいに尽くした上に、理不尽に怒鳴られたり、性格悪いとか言われて人格否定されてきたのかと思うと、なんかもう、どうでもいい。

なんなんだろう。私、何やってんだろう。なんでまた信じちゃったんだろう。バカだなほんと。

そんなことを思いながら、もう彼とM子、そして自分に対しての苛立ちしかなく。
そこからは、そんな男が浮気相手と他にはどんな会話してんだろうと、二人のLINEのやり取りを性懲りも無く興味本意で読み進めた。

そして。

このあと私は、二人の関係性が自分の想像をはるかに超えるものだったことを知ることになる。

おとなの婚活パーティーOTOCON