第49回【借金‥？②】

2024年12月9日

最初に来た謎の差出人の郵便物、そして有名な消費者金融の封書。
それは、悪い予感の通り督促状だった。

しかも、驚愕したのは記載されたその金額。
誰もいないのに思わず声が出た。

せいぜい数万円、もしかして10万とか20万とかいってたり‥？とか思ってたんだけど、そこに書かれていた数字は、

謎の差出人の郵便物　→   約340,000万円
有名な消費者金融　→  約1,200,000万円

は⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎
え？？？？なに待ってどういうこと⁉︎⁉︎⁉︎

私が借金というものに慣れていないせいなのか、予想もしていなかった金額に頭が混乱すると共に、彼に対する不信感が一気に溢れ出た。

私、また裏切られたの‥？

プチパニックになりながらも、合計150万円ほどのお金を何に使ったのか、いつ使ったのか、なんで私に平然とお金なんて借りてないと言ったのか、必死に考えた。

“こんなのさすがの私も立て替えれないし！！！！！”

とか、心のどこかで助けてあげようなんて気持ちが咄嗟に出てしまっていた自分にまずうんざりすたけど、そこについてはすぐに
“いや違う、私には関係ない！！！！”
って我に返った。
（つくづく自分の性格嫌になるわ‥）

いやそれより、この借金が一体なんなのか。

そもそもいつ借りたのか。

借金の督促状というものを初めてみた私にとっては、どこをどう見れば情報を得られるのかよくわからず、ただただどこかにヒントはないかと隅から隅まで穴があくほど二つの書面を見た。

そして、引越し後の住所に届いている某消費者金融の記載内容に、ひとつのヒントを見つけた。

『返済期日：平成○○年○月』

‥平成⁉︎⁉︎⁉︎

書かれていた返済期日ってのが、10年以上も前。

要は、10年以上も返済せずに放置した借金に遅延損害金とやらが上乗せに上乗せされて、合計120万ほどの借金に膨れ上がっていたのだ。

見た感じ、実際に借りた金額は30万ほど。（それでも多い）
ならもういっこの方は‥？

と見てみたけど、こちらは情報が少なく、借りた金額が20万くらいってことと、とりあえず前住所から転送されてるってことは私と付き合う前の可能性大ってこと。

こんな中でも、とりあえず最近の借金ではないことと、（最近は）お金なんて借りてないと言った彼の言葉が嘘ではなかったことに安堵した私は（いやするなよ）、いったんこの借金が一体なんなのか、そしてかなり過去とはいえ、彼がなんであそこまで平然としていられるのかを知るべく、彼の帰宅を待って直接確認することにした。

まずは何に使ったお金なのか。

返ってきた答えは、
「昔、友達から、迷惑かけないから借金の保証人になってってお願いされて、保証人になったらその友達がそのままいなくなった。総額100万くらい俺が払うことになって、お金ないからその借金返すためにあちこちの金融機関から30万ずつくらい分けて借りた。俺20代前半とかだったから、いっぺんに借りれるとこなくて、かき集めるのにすげー苦労した。。」

ってことだった。

それが本当かどうかはわからないけど、彼の過去の友達関係や地元の治安の悪さ、彼の世間知らず、そして彼が謎に友人を信頼する性格上、正直ありえなくない内容だなと思った。
あとは、話ぶりにリアリティがありすぎるってことで、とりあえずそういうことにしといてやることにした。

でもそこで引っかかったのは、総額100万ってとこだよね。
今来てるのはせいぜい半分くらい。

他はどこいった？って話。

彼に聞いたら、
「ずっと前は他のも来てたけどいつの間にか来なくなったな。保証人がいるやつは親の名前にしてたからな」

うわ‥親に払わせたってこと？最低すぎる‥。

そして次に気になるのは、この借金をどうすんのかってこと。
なんで督促状が毎月きてるってのに平然としてるのかってこと。

その返答を聞いたとき、彼が借金なんてしてないと私に平然と言えた理由を理解した。

「だって、借金の時効って10年なんだってよ？もう時効だから払う必要ないはずだよ。」

‥‥‥‥‥。

そう、彼は、借金をしても10年逃げ切れば勝手に時効になって払わなくてもよくなると本気で思っていたのだ。

いくら私でも、そんなことがあるわけないってことはわかる。
そんなことがまかり通るなら、消費者金融成り立たなくない？

そう言い返しても、
「いや、絶対時効だって！借金の時効のことは昔調べたし！」
とか普通に言ってくるから、私も借金の時効について詳しく調べてみた。


うん、確かに借金には時効ってのがあるようだね。
でもね、時効にするにはいろんな手続きをして、それが通ったら成り立つもので、刑事事件のように勝手に成立することはないのよ。

今のあなたは借金があるくせに返済してないただの債務者なのよね。

そう説明して、そこで彼は初めて今も自分が借金を支払わなければならないことを理解したようだった。

「どうしよう‥。俺、金ないのに‥。」

いや知らねーよ！！！！

って言ってやりたいけど（あ、言ったけどね）、一緒に住んでる手前、借金がある人間が家にいるってのはいい気持ちがしない。
ましてや一応彼氏だし。

かといって、そんな大金貸す気も立て替える気ももちろんない。
とりあえず時効になるのか、他に何か方法はあるのかってのを相談する法律事務所くらいは探してやるか‥。


まぁそんなこんなで、自分では動けない彼の尻を叩くことだけは協力して、あとは彼が自分で解決する様子を見守ることにした。

今のところ、なんとか債務者として生きていく必要はなくなりそうだけど、彼の非常識さっていうか馬鹿さ加減っていうのにはほんとに呆れる出来事だった。

ダメ男にも程があるだろって。


あ、ちなみにだけど、消費者金融って、債務者が引越したら債務者の住所の情報を調べる権限ってのがあるらしく、払うまではずーっと追いかけてくるみたいね。
有名消費者金融についてはリアルタイムで情報行くようになってたみたい。


こーわっっ！！！！！